大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和28(オ)683 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人指定代理人Dの上告理由について。

論旨は原判決の認定しない事実または認定に反する事実を主張して原判決を非難

するものであるから採用することができない。(所論のように戦時中耕作者がなく

なつた農地を何びとかが耕作することは適当な措置であつたとしても、本件のよう

な事情のもとにおいて、その耕作者と地主との間に賃貸借契約が成立したものと認

める余地はない。次に論旨は農調法三条によつてa村b会が本件農地を管理したと

いうのであるが、同条によつて「農地の所有者又は耕作者が市町村、市町村b会そ

の他命令を以て定むる団体に農地の管理又は買取の申出を為」したという事実はな

く、Eが申出たとしても同人は何等の権限を有しないものである。また仮りに同条

によつて管理したにしても、後に所有者が耕作しようとしたとき、これを妨げるこ

とはできない。論旨は更らに被上告人が選定相続人となつてから三ケ年の間何等の

法的手段を講じなかつたというのであるが、かかる手段を講じなかつたからとて、

被上告人が補助参加人等の耕作権を認めたものということはできない。)

補助参加人訴訟代理人堀川嘉夫の上告理由について。

論旨は自創法三条五項六号の農地のなかには、いわゆる不耕作地の外に、耕作者

が耕作する正当の権利なくして耕作しているものを含むと主張するのであるが、仮

りにそのような場合があるとしても、本件のように所有者が耕作の意思を有するに

かかわらず、何等の権利をも有しない者がこれを妨げて耕作している場合が、これ

に含まれるとするのは不当である。若しかかる場合もこれに含まれて買収すること

ができるとすれば法律は不法行為者を保護する結果となるからである。論旨はまた、

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被上告人が本件農地を耕作しているのは仮処分の執行によるもので所有権に基くも

のではないというのであるが、被上告人が本件農地の所有者であることは、原判決

の確定するところであり、本件買収計画当時には被上告人が現に耕作していたので

あるから、本件農地が自創法三条五項六号に該当する農地でないことは明白である。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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